暗号資産にはいつどんな税金がかかる?
暗号資産に投資をして利益がでると、その利益に対して税金が発生する場合あります。
「暗号資産には税金がかかる」と聞いたことはあるけど、どんなタイミングで税金がかかるのかが分からない、という方も多いと思います。
個人の方が保有する暗号資産では、次のような税金が発生する場合があります。
- 所得税
- 相続税
- 贈与税
暗号資産によって発生する税金と、税金が課税されるタイミングについて主要なものをまとめてみました。
(この記事は2023年2月1日時点における国税庁ホームページを基に執筆しています。)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/virtual_currency_faq_03.pdf
所得税がかかる場合
所得税とは、個人の所得(「収入」から「必要経費」を引いたもの)に対してかかる税金です。
サラリーマンが会社から受けとる給与にも所得税がかかっていますよね。
下記のようなタイミングでは、暗号資産から所得税が発生する場合があります。
- 暗号資産を売却したとき
- 暗号資産で商品を買ったとき
- 暗号資産同士を交換したとき
- マイニングによって暗号資産を取得したとき
- レンディング・ステーキングにより暗号資産を取得したとき
- 暗号資産をもらったとき
以下、それぞれがどのような場合なのかを簡単に解説していきます。
暗号資産を売却したとき
暗号資産を売却したときとは、過去に購入した暗号資産を、買ったときよりも高い価格で売却したときのことです。
購入した価格より売却した価格のほうが高いと利益が発生するため、その利益に対して所得税がかかる場合があります。
例えば、100万円で購入したビットコインを200万円で売却したすると、100万円が利益となりその100万円に所得税がかかる場合があります。
暗号資産で商品を買ったとき
お店で商品を買うときのは、現金やクレジットカードで支払うのが一般的です。
最近では電子マネーやQRコード決済ができるお店もかなり増えてきました。
まだあまり一般的ではありませんが、ビットコインなどの暗号資産で支払うことができるお店というのも、数は少ないですが存在しています。
お店の支払いに暗号資産を使用した場合、その支払いに使用した暗号資産は、その代金で売却したものとして取り扱われます。
例えば、10,000円の商品を買うために0.01BTCを支払った場合、その0.001BTCは商品代金の10,000円で売却したものとされます。
暗号資産を売却して現金にして、その現金で商品を購入する、というイメージですね。
暗号資産を支払いに使用した場合にも売却として取り扱われるので、売却で利益がでていれば所得税が課税される場合があります。
暗号資産同士を交換したとき
「暗号資産同士を交換したとき」とは、ある暗号資産で別の暗号資産を購入したときのことを指します。
例えば、ビットコインでイーサリアムを購入したときなどです。
暗号資産同士を交換した場合にも、交換前の暗号資産を売却して別の暗号資産を購入したものとして取り扱われます。
つまり、「ビットコインでイーサリアムを購入したとき」には、「ビットコインを売却して日本円にして、その日本円でイーサリアムを購入した」という取扱いになるということです。
暗号資産同士を交換した場合にも売却として取り扱われるので、売却で利益がでていれば所得税が課税される場合があります。
マイニングによって暗号資産を取得したとき
マイニングで暗号資産を取得したときには、その暗号資産の取得時点の価格の収入があったものとして取り扱われます。
例えば、ビットコインのマイニングで1BTCを取得した場合には、取得した時点のビットコインの価格(2023年2月1日だと約300万円)の収入になります。
通常、マイニングを行うためにはマシンや電気代などの必要経費がかかるので、マイニングの収入が必要経費よりも大きければ、利益がでて所得税が発生する場合があります。
レンディング・ステーキングによって暗号資産を取得したとき
レンディングやステーキングで暗号資産を取得した場合には、取得時点の価格での収入があったものと取り扱われます。
マイニングとは違い、レンディングやステーキングには必要経費がかかることが少ないため、基本的には取得した暗号資産の取得時の価格が利益になると考えられます。
暗号資産をもらったとき
取引所のキャンペーンなどで無償(タダ)で暗号資産を取得したときにも、暗号資産の取得時点の価格が収入となります。
株主優待で暗号資産をもらった場合も、もらった時点の価格が利益となり、所得税の対象となります。
所得税がかからない場合
次のような場合には、所得税は発生しません。
- 自分の口座間で暗号資産を移動したとき
- フォーク(分岐)により暗号資産を取得したとき
- 保有している暗号資産が値上がりしたとき(含み益が発生したとき)
保有している暗号資産が値上がりしたとき(含み益が発生したとき)
個人が保有している暗号資産の場合、保有している暗号資産が値上がりした(含み益が発生した)としても、売却などをしなければ所得税は発生しません。
自分の口座間で暗号資産を移動したとき
自分の口座間で暗号資産を移動させても、所得税は発生しません。
暗号資産を自分の口座間で移動させただけでは、売却などにはあたりませんので、たとえ含み益が発生していたとしても利益は計算されません。
フォーク(分岐)により暗号資産を取得したとき
フォークによって暗号資産を取得した場合は、所得税は発生しないとされています。
フォークした暗号資産を取得した時点では、まだその新しい暗号資産には取引相場がないため、0円の暗号資産を取得したと取り扱われるためです。
相続税・贈与税がかかる場合
暗号資産で発生する税金は、所得税だけではありません。
相続税や贈与税といった税金も、暗号資産によって発生する場合があります。
暗号資産は相続税や贈与税の対象となる財産とされているので、相続や贈与によって暗号資産を取得したときには、相続税や贈与税が発生する場合があります。
税金が発生しそうなときは税理士に相談
この記事では暗号資産で税金が発生する場合を紹介しましたが、具体的にいくらの税金が発生するかについては、自分で調べて計算をするか、専門家である税理士に相談するようにしましょう。
最後に
暗号資産で税金が発生する場合についてまとめてみました。
税金のことを把握せずに暗号資産に投資をしていると、思わぬトラブルに発展する場合があります。
暗号資産に投資をする場合には、税金が発生するタイミングをきちんと把握するようにしましょう。
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